私はとっても怖がりである。ビビリなんです。
いちど出産した人は大抵わかると思うんだけど、妊婦は、臨月に入ると恐くなる。あの強烈な痛みと、生死をかけた出産の時、それがだんだん近づいてくると思うと、しみじみ恐い。3人めの子(優実)を妊娠していた時もそうだった。
ビビリの私は、まだ臨月にもなっていないのに、もうすでに怖い。その時を想像すると、とてつもなくビビッて、泣きそう!! 仕方ないから(?!)神様に必死で祈る。
「神様、どうか恐くないように、辛くないように出産を迎えさせてください。弱いこの者をお守りください。」そう祈りながら月日は過ぎていく。
だんだん出産の予定日が近づいてくると、前駆陣痛なるものがやってくる。
「あっ、お腹が痛い。えっ、これって…、もしや、…。今、15分間隔、10分間隔…、」
と計っているうちに、眠っちゃって、朝にはけろっと痛みがなくなっている。
「えー、違ったんだー」そんなことが4回も5回もある。
「あっ、…、これきたかも…、。…、違ったんかーい」
そのうちに、なんか、「もうー、いい加減にして! 産まれるんなら、さっさと産まれてよ!!
てか、神様、はよ産まれさせて!!」と言う感じになった。
ある日、またお腹が痛い。
「あぁ、また前駆陣痛か。もういい加減にしてほしい。これで終りにしたい。」
そう思った私は、痛いお腹を突き出して、公園までがしがし散歩に行く。階段も上がった、下がった。
「よしよし、間隔が狭くなってる。いい調子だよー」
「なんかお風呂に入るとお産が進むと聞くじゃんねー」
と、お風呂に入る。陣痛が来る。
「よし来い、よし来い、どんどん来い。その調子」
お風呂から出て、万が一、これが本当の陣痛かもしれないと、持ち物をチェッーク!。義亜のアレルギー食を一品でも多く作ろうと準備をする。洗濯物をたたむ。
そうこうバタバタしているうちに、はっと気づけば3分間隔。
「えー、これちょっとやばくなーい!! アキ!早く起きて、起きて、産まれるー」
「エー、またまたそんなこと言っちゃってー」
「いや、本当だって、やばいって」
「じゃあ病院行くか?」「うん、早く!」
明菜を起こして事情を説明して、義亜を頼んで病院へ
「おい、ちょっと待って、病院行く前に時計の下で、記念撮影しよう!!」
「えー、てか、もうそんなことしてる場合じゃ…、」
「大丈夫、大丈夫。ほら笑って」パシャ!!
病院へ向かう車の中
「ねぇまだ? まだ着かないの? 産まれそう!!」「またまた~(笑)」
病院に着いてダッシュで診察台に
「産まれそうなんです!」
「みんなそう言うんですよねー。あら、やだ、全開! 先生早くー、先生を呼んでー!!
まだですよー、まだ先生来てないですからねぇー」
「えー、いきみたい、いきみたい。ウーン。えっ、てか、どうやっていきむんだったっけ」
何しろ義亜を産んでから5年も経っている。
「看護婦さーん」みんな慌てふためいて忙しそう。
「ちょっと、アキ、どうやっていきむんだったっけ?」
「それは、ヒーフーヒーフーでウーンじゃろ」
「ヒーフーヒーフーウーン」
「あら、やだ、赤ちゃん出てきた。ちょっと待って、まだ先生が…、」
「あ、もう止まりません。」
「あ、看護師さんが、赤ちゃんの頭、戻そうとしてるー」
「助産師さん、きましたあぁー!!」
「よかった、ウーン!!」
と無事生まれたのが優実ちゃん。実に病院に到着してからたった15分の攻防でした。
ハレルヤ!! 神様、ちっとも怖くなかった。どころか、めっちゃ積極的に出産に立ち向かうことができました。神様は「私」を誰よりもご存知で、「私」が恐くないように、頑張って、しっかりして産めるようにしてくださいました。
ハレルヤ、心から感謝します。
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